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第1章 総則
(目的)
第1条 この達は、自衛隊における航空救難に関し必要な細部の事項を定めることを目的とする。
(定義)
第2条 この達において、次の各号に揚げる用語の意義は、当該各号に定めるところによる。
(1)訓令 航空救難に関する訓令(昭和35年防衛庁訓令第56号)をいう。
分類番号:J−J1−J14 保存期間:30年
(2)自衛隊の部隊等 陸上自衛隊、海上自衛隊及び航空自衛隊の部隊及び機関をいう。
(3)派遣部隊等 訓令第7条第1項及び第5項の規定により区域指揮官の協力の依頼に応じ、航空救難実施のため派遣された自衛隊の部隊又は機関をいう。
(4)部外機関 防衛庁以外の国及び地方公共団体並びに民間団体の機関をいう。
(5)拡大通信捜索 時間超過機について航空交通管制部(ACC)及び飛行管理中枢が行う第1段通信捜索に引き続き航空自衛隊中央救難調整所(RCC)又は海上自衛隊航空救難情報中枢(RIC)が行う通信捜索であり、航空交通管制系(ATCライン)及び飛行管理系(FSライン)以外の通信網をもって行う通信捜索をいう。
(6)区域指揮官等 区域指揮官又は区域指揮官からその権限の一部又は全部の委任を受けた自衛隊の部隊等の長
(専任部隊の業務)
第3条 専任部隊は、訓令第2条に規定する航空救難業務のうち、主として行方不明になった航空機の乗員の捜索及び航空機の乗員の救助を行うものとする。
(救難区域及び区域指揮官)
第4条 訓令第6条第3項により長官が定める救難区域及び区域指揮官は、別図のとおりとする。
(現地調整官の指定)
第5条 区域指揮官等は遭難現場との距離又は通信等の状況により自ら現地の 救難行動の調整を行うことが困難と判断した場合には、必要な範囲で、現地 の救難活動に関する調整を行う現地調整官を指定することができる。
2 現地調整官を指定する場合は、現地部隊の通信指揮及び救難実施の能力並びに救難現場の情況等を考慮の上、現地調整に最も適当と思われる者を指定 するものとする。
3 区域指揮官等は現地調整官を指定した場合は、救難行動中の全部隊及び関係のある自衛隊の部隊等又は部外機関に通報しなければならない。
4 遭難現場で救難行動中の全部隊は、現地調整官の調整を受けた場合、これに応じなければならない。
(現地調整官の業務)
第6条 現地調整官は遭難現場における救難活動の効果と安全を図るため、次の事項を行う。
(1)当該救難活動に参加する部隊の現地における救難活動の調整
(2)当該区域指揮官等に対する救難実施の状況の報告又は通報
(要救難事故が2以上の救難区域にまたがる場合の区域指揮官の指定)
第7条 訓令第8条の規定による要救難事故が2以上の救難区域にまたがる場合の区域指揮官としての権限を行使する者は、次の基準によるものとする。
(1)要救難事故の推定位置が局限される場合
ア 要救難事故の推定位置が海上の救難区域でまたがる場合は海上自衛隊の、陸上の救難区域でまたがる場合は航空自衛隊の区域指揮官とする。 これにより難い場合は、その都度、統合幕僚長が指定する。
イ 海上自衛隊の救難区域においては、先任の区域指揮官
(2)要救難事故の推定位置が局限できない場合
ア 緊急状態にある航空機が最後に位置通報を行つた地点を自己の救難区域に含む区域指揮官
イ 緊急状態にある航空機の位置通報が出発以後全く得られない場合は、当該航空機の出発地を自己の救難区域に含む区域指揮官
第2章 陸上自衛隊の航空救難
(方面総監の業務)
第8条 方面総監は、訓令第2条に規定する航空救難業務のうち、行方不明となった航空機の乗員の捜索及び航空機の乗員の救助並びに情報の収集評価及び伝達を行うものとする。この際、担当警備区域内に発生した要救難事故に関し別表第1に示す区域指揮官の協力依頼にできる限り応じるものとする。
(陸上自衛隊の長官直轄航空部隊の業務)
第9条 航空学校、第1ヘリコプター団(以下「直轄航空部隊等」という。)の長は、訓令第2条に規定する航空救難業務のうち、行方不明となった航空機の乗員の捜索及び航空機の乗員の救助並びに情報の収集評価及び伝達を行うものとする。この際、別表第1に示す、第3救難区域指揮官又はその権限の委任を受けた所在部隊等の長及び自己の所在地を警備区域とする方面総監の協力の依頼にできる限り応じるものとする。
(駐屯地司令の職にある部隊等の長の任務)
第10条 要救難事故の発生を知った駐屯地司令の職にある陸上自衛隊の部隊等の長又は演習部隊の長(以下「陸自の所在部隊の長」という。)は、直ちに航空救難を実施するとともに、その旨を当該区域を管轄区域とする区域指揮官に通報し、かつ、当該区域を警備区域とする方面総監に報告しなければならない。
2 陸自の所在部隊の長が航空救難を実施するに当たり、その行動に関して当 該区域指揮官の調整を受けたときはこれに従うものとする。
(航空救難のため派遣された部隊等の長)
第11条 航空救難実施のため、方面総監又は直轄航空部隊等の長から現地に派遣を命ぜられた陸上自衛隊の部隊等の長は、現地到着後、速やかに当該緊 急事態発生の区域を救難区域とする区域指揮官(以下「担当の区域指揮官」 という。)及び陸自の所在部隊の長にその旨通報するとともに、航空救難に 関し、当該区域指揮官の調整を受けるものとする。
(陸上自衛隊の航空救難情報入手時の通報)
第12条 陸自の所在部隊の長又は派遣部隊等の長の区域指揮官に対して行う情報の通報は、別紙様式第1の事項について判明した事項のうち必要なものを、その都度行うものとする。
(陸上自衛隊の航空救難実施中の行動状況の通報)
第13条 陸自の所在部隊の長又は派遣部隊等の長の区域指揮官に対する救難の行動状況に関する通報は別紙様式第2の事項について、緊急を要すると認める事項は、その都度、またその他の事項については判明したものを当日の作業終了後速やかに行うものとする。ただし、区域指揮官からその権限の委任を受けた場合の報告通報は、別紙様式第3の事項によるものとする。
(陸上自衛隊の航空救難終結又は中止時の通報)
第14条 方面総監及び直轄航空部隊等の長が航空救難に対する協力を中止する場合及び区域指揮官から、その権限の委任を受けた陸自の所在部隊の長が 航空救難の終結又は中止をする場合に行う区域指揮官に対する通報は、別紙 様式第<3によるものとする。
(陸上自衛隊の航空救難終結後の報告)
第15条 航空救難を実施した方面総監、直轄航空部隊等の長及び陸自の所在部隊の長は、訓令第10条に基づき長官に対する報告を、航空救難の終結又は中止の日から30日以内に順序を経て実施するとともに、担当区域指揮官に通報するものとする。この場合の報告は別紙様式第4によるものとし、写2部を添付するものとする。
第3章 海上自衛隊の航空救難
(航空救難情報中枢及び航空救難情報連絡員)
第16条 訓令第9条第1項各号に規定する業務の一部を処理するため、海上自衛隊の航空救難機能の一部を航空自衛隊府中基地に置き、これを航空救難 情報中枢(RIC)と称する。
2 訓令第9条第2項の規定により、同条第1項各号に規定する業務の一部を行う者として、航空救難情報連絡員(以下「救難連絡員」という。)を航空 救難情報中枢に置く。
3 救難連絡員は、航空救難に関し、次の各号に掲げる業務を行う。
(1)拡大通信捜索
(2)航空救難に関する情報の収集、評価及び伝達
(3)区域指揮官が行う航空救難業務の連絡
4 救難連絡員は、航空自衛隊中央救難調整所(RCC)と互いに緊密に連絡して勤務するものとする。
5 救難連絡員の勤務要領は、統合幕僚監部運用部長が定める。
(海上自衛隊の航空救難計画)
第17条 区域指揮官は、航空救難の円滑な実施を図るため、自己の救難区域における航空救難の実施に関し、あらかじめ救難計画を準備するものとする。
2 海上自衛隊の部隊等の長は、区域指揮官が定める航空救難計画に基づき、当該部隊等の行う航空救難の実施に関し、必要な航空救難部署を定め、区域 指揮官及び必要と認める自衛隊の部隊等に通報するものとする。
(海上自衛隊の航空救難計画の作成要領)
第18条 区域指揮官は、区域内の航空救難を担当すべき専任部隊及び区域内 に所在する非専任部隊の所属する部隊の長並びに隣接の区域指揮官とあらか じめ協議の上、航空救難計画を作成しなければならない。この場合、区域指 揮官は、必要に応じ航空救難の実施に関し、部外機関と相互に協定するもの とする。
2 前項の救難計画には、行動の基準、相互支援、情報収集、後方支援、指揮、権限の委任、通信その他所要の事項を示すものとする。
3 専任部隊の救難待機に関しては、別表第2に定める待機基準に基づき、区域指揮官が定めるものとする。
4 区域指揮官は、航空救難計画を作成した場合及びその計画の一部のうち重 要な事項を変更した場合には、その都度統合幕僚長(運用第2課長気付)に 報告するとともに、必要と認める隣接の区域指揮官及び関係の自衛隊の部隊 等に通報するものとする。
(救難連絡員の措置)
第19条 救難連絡員は、海上自衛隊の救難区域内に航空機の緊急事態発生の 情報を入手した場合には、速やかにこれを評価し、統合幕僚長に報告するとともに、担当の区域指揮官及び必要と認める自衛隊の部隊等並びに部外機関に通報するものとする。
2 救難連絡員は、前項の情報を入手した場合、必要と認めるときは、航空自衛隊中央救難調整所及び部外機関の協力を得て、拡大通信捜索を実施するものとする。
3 救難連絡員は、航空救難の実施の間、区域指揮官が行う航空救難に必要な情報の収集、評価及び伝達に当たるものとする。
4 救難連絡員は、航空自衛隊の救難区域に航空機の緊急事態が発生した場合には、当該航空救難に関し海上自衛隊に関係ある事項について、航空自衛隊 中央救難調整所に協力するものとする。
(海上自衛隊の区域指揮官の措置)
第20条 区域指揮官は、第19条第1項の通知を受けた場合には、直ちに緊急事態に応ずる所要の措置を講ずるとともに、その旨を速やかに統合幕僚長に報告し、航空救難情報中枢、必要と認める隣接の区域指揮官及び関係の自衛隊の部隊等並びに部外機関に通報するものとする。
2 区域指揮官は、自己の救難区域に航空機の緊急事態発生の情報を直接入手した場合には、これを評価し、前項に準じ必要な措置を講ずるものとする。
3 区域指揮官は、前各項の場合、緊急やむを得ないと認めるときは、航空救難について、直接非専任部隊に協力を依頼することができる。この場合、区 域指揮官は、じ後速やかに当該部隊の所属する部隊の長にその旨を通報しなければならない。
4 区域指揮官は、訓令第7条第4項の規定により、海上自衛隊の所在部隊の長の責任において実施可能な範囲の航空救難に関し、その権限の一部又は全部を当該所在部隊の長に委任することができる。
5 区域指揮官は、前項の規定によりその権限の一部又は全部を海上自衛隊の所在部隊の長に委任した場合には、その旨を速やかに統合幕僚長に報告し、 航空救難情報中枢及び関係の自衛隊の部隊等並びに部外機関に通報するものとする。
(海上自衛隊の区域指揮官が行う調整事項)
第21条 区域指揮官は、訓令第7条第2項、第3項及び第6項の規定によりそれぞれ必要な調整を行う場合には、次の各号に定める事項について行うものとする。
(1)協力を要する自衛隊の部隊等の派遣撤収に関する事項
(2)捜索計画(捜索区域、捜索法その他捜索に関する必要な事項)
(3)通信計画(使用電波、規約信号その他通信に関する必要な事項)
(4)現地調整官に関する事項
(5)その他必要な事項
(協力の依頼を受けた海上自衛隊の区域指揮官又は非専任部隊の措置)
第22条 区域指揮官又は非専任部隊の長は、担当の区域指揮官から航空救難に関し協力の依頼を受けた場合には、できる限り、これに協力するものとし、協力開始後は、速やかに担当の区域指揮官にその旨を通報しなければならない。
2 区域指揮官の協力の依頼に応じ航空救難実施のため派遣された部隊等の長は、現地に到達後は、速やかに担当の区域指揮官(又は現地調整官)にその 旨を通報するとともに、じ後の行動等必要な事項について、担当の区域指揮 官の調整に応ずるものとする。
(海上自衛隊の所在部隊の措置)
第23条 海上自衛隊の所在部隊の長は、緊急事態に応ずる所要の措置を講ずるとともに、入手した情報及び救難行動に関し、所要の事項を担当の区域指揮官、航空救難情報中枢及び関係の自衛隊の部隊等並びに部外機関に通報するものとする。
2 2以上の所在部隊の長が同一の要救難事故に対し救難を実施する場合には、互いに協力して救難活動に当たるものとする。
3 前各項において、担当の区域指揮官による調整が行われた場合には、これに従うものとする。
(海上自衛隊の航空救難の終結又は中止)
第24条 区域指揮官等は、救難活動が目的を達した場合には、速やかに航空 救難の終結を統合幕僚長に報告するとともに、航空救難情報中枢及び関係の 自衛隊の部隊等並びに部外機関に通報しなければならない。
2 区域指揮官等は、遭難隊員の救助の見込みがないと認める場合には、事故 機及び遭難隊員の所属する自衛隊の部隊等の長と協議の上航空救難の終結を 統合幕僚長に報告するとともに、航空救難情報中枢及び関係の自衛隊の部隊等並びに部外機関に通報しなければならない。
3 区域指揮官等は、気象状態その他の理由により一時的に救難活動を中止する場合には、前項に準じその旨を通報するものとする。
(海上自衛隊の専任部隊状況報告)
第25条 区域指揮官は、専任部隊の可動の状況に変化を生じた場合には、その都度統合幕僚長に報告し、航空救難情報中枢及び必要と認める隣接の区域 指揮官に通報するものとする。
(海上自衛隊の航空救難情報入手時の通報)
第26条 第19条第1項、第20条第1項及び第2項並びに第23条第1項の規定により、区域指揮官及び所在部隊の長並びに救難連絡員が行う報告又は通報は、別紙様式第1により判明した事項について、逐次行うものとする。
(海上自衛隊の航空救難実施中の行動状況報告)
第27条 海上自衛隊の部隊等の長は、航空救難実施中において、緊急を要すると認める事項については、その都度、その他の事項については特に命ぜられた場合のほか別紙様式第2により作業終了後、速やかに区域指揮官等に報告又は通報するものとする。ただし、その都度の報告については、現地調整官所在の場合には、第6条第2号の規定により現地調整官を通じて行うものとする。
2 区域指揮官等は、前項の規定により報告又は通報を受けた場合には、緊急 を要すると認める事項はその都度、その他の事項については別紙様式第3に より作業終了後、速やかに直接統合幕僚長に報告し、航空救難情報中枢及び 必要と認める隣接の区域指揮官並びに関係の自衛隊の部隊等に通報するものとする。
(海上自衛隊の航空救難終結又は中止時の報告等)
第28条 第24条各項の規定により区域指揮官等が行う報告又は通報は、次の各号に掲げる事項を含むものとする。
(1)航空救難の推移
(2)航空救難終結又は中止の事由及び日時
(3)その他必要と認める事項
(海上自衛隊の航空救難終結後の報告)
第29条 訓令第10条の規定により区域指揮官及び海上自衛隊の部隊等の長が行う報告は、次の各号によるものとする。
(1)区域指揮官は、航空救難終結後、航空救難全般の状況及び隷下の専任部隊の行動について、別紙様式第4により航空救難詳報を作成し、直接統合 幕僚長に報告するとともに、隣接の区域指揮官及び必要と認める自衛隊の部隊等に通報するものとする。
(2)海上自衛隊の部隊等の長は、航空救難終結後、隷下の派遣部隊の行動について、別紙様式第4により航空救難詳報を作成し、順序を経て統合幕僚長に報告するとともに、担当の区域指揮官に通報するものとする。
(3)第1号の報告書は、航空救難終結後14日以内に、前号の報告書は、航空救難終結後30日以内に、それぞれ写2部を添え統合幕僚長に報告するものとする。
第4章 航空自衛隊の航空救難
(航空支援集団司令官の業務)
第30条 航空支援集団司令官は、中央救難調整所を設け第33条に規定する業務を行うほか、救難隊の救難待機を行うものとする。
(航空自衛隊の所在部隊の長の業務)
第31条 要救難事故がその所在する場所又はその付近に発生したことを知った航空自衛隊の基地司令又は分屯基地司令の職にある部隊等の長及び独立して所在する部隊等の長(以下「空自の所在部隊の長」という。)は、直ちに航空救難を実施するとともに、その旨を当該区域指揮官、中央救難調整所の長、その区域の防空を担任する航空方面隊司令官及び航空混成団司令並びに関連のある自衛隊の部隊等の長に通報しなければならない。
2 前項の場合、基地司令の職にある部隊等の長は第32条第5項の規定によりあらかじめ指揮の権限の委任を受けた救難隊を指揮することができるほか、自己の協力の依頼に応じて差し出された同一基地内の非専任部隊の航空救難行動に関して必要な調整を行うことができる。
3 航空自衛隊の非専任部隊の長は、同一基地の基地司令の職にある航空自衛隊の部隊等の長(基地司令が部隊等の長でない場合は、統合幕僚長が指定するものを含む。以下同じ。)が行う航空救難に関して協力の依頼を受けたときは、可能な範囲の支援を行なわなければならない。
(航空自衛隊の区域指揮官の業務)
第32条 航空自衛隊の区域指揮官は救難運用本部(ROC)を設け、第34 条に規定する業務を行うものとする。
2 区域指揮官は、自己の担当する救難区域内の航空救難及び統合幕僚長から特に指定を受けた航空救難に関して、当該区域の航空救難を担当すべき救難 隊を指揮することができる。
3 前項の場合、区域指揮官は、自己の協力の依頼に応じて差し出された非専任部隊及び他の区域指揮官の指揮下にある専任部隊の救難行動に関して必要 な調整又は勧告、指導を行うことができる。
4 区域指揮官は、自己の担当する救難区域内において、空自の所在部隊の長が行う航空救難について必要な調整又は勧告、指導を行うことができる。
5 区域指揮官は、自己の担当する救難区域内の基地司令の職にある部隊等の長が訓令第5条の規定により航空救難を実施する場合に限り、その基地司令 の職にある部隊等の長と同一基地に所在する救難隊についての指揮を、その基地司令の職にある部隊等の長にあらかじめ委任するものとする。
6 区域指揮官は、自己の担当する救難区域内に発生した要救難事故が当該区域内の所在部隊の長で実施し得ると認める場合は、その所在部隊の長と協議 の上、第2項又は第4項の権限の一部又は全部を委任することができる。
7 区域指揮官は自己の権限の一部又は全部を委任した場合は、その旨関係ある自衛隊の部隊等に通報するものとする
(中央救難調整所)
第33条 中央救難調整所の業務は次の各号のとおりとし、航空支援集団の所要の人員をもって行うものとする。
(1)拡大通信捜索
(2)航空救難に関する情報の収集、評価及び伝達
(3)区域指揮官が行う航空救難業務の連絡
(4)第7条に規定する区域指揮官の指定に関する海上自衛隊の航空救難情報中枢との連絡
(5)陸上自衛隊、海上自衛隊、米太平洋軍の救難関係部署及び部外機関との航空救難に関する連絡
2 中央救難調整所の長は、前項の業務を行う場合は、航空救難情報中枢と相互に緊密に協力するものとする。
(救難運用本部)
第34条 航空自衛隊の救難運用本部の業務は次の各号のとおりとし、航空方面隊司令部及び航空混成団司令部の所要の人員をもって行うほか、必要に応じ防空指令所(DC)の機能の一部を利用することができる。
(1)中央救難調整所及び航空総隊の防空組織からの要救難事故に関する情報に基づく航空救難行動の発令に関すること。
(2)救難運用本部が直接入手した要救難事故に関する情報に基づく航空救難行動の発令に関すること。
(3)関係区域指揮官に対する情報支援及び中央救難調整所に対する情報連絡
(4)担当区域内における航空救難行動の指揮監督若しくは調整、勧告又は指導に関すること。
(5)他の区域指揮官の支援を必要とする航空救難についての協力依頼に関すること。
(6)他の区域指揮官から協力依頼があつた場合の支援部隊の差出しに関すること。
(7)区域指揮官の権限の委任に関し、被委任者の指定及び委任範囲の決定に関すること。
(8)区域指揮官が委任した権限の復帰の時期決定に関すること。
(9)関係のある自衛隊の部隊等、米軍及び部外機関との航空救難に関する連絡
(10) 担当区域内の航空救難の終結又は中止の決定及び自衛隊の部隊等の撤収に関すること。
(航空自衛隊の救難待機)
第35条 航空支援集団司令官が第30条の規定に基づき実施する救難隊の救難待機の種類は次の各号のとおりとし、実施の細部については航空支援集団司令官が区域指揮官と協議して定めるものとする。
(1)第1待機(救難出動の命を受けてから15分以内に出動し得る状態にあること。)
(2)第2待機(救難出動の命を受けてから2時間以内に出動し得る状態にあること。)
2 航空自衛隊の部隊等の長は、救難待機の変更を要する特別な飛行を行う場合には、その飛行要領について、あらかじめ航空支援集団司令官及び関係区 域指揮官に報告及び通報するものとする。
(航空自衛隊の航空救難計画)
第36条 区域指揮官は航空救難の円滑な実施を図るため、自己の担当する救難区域内における航空救難に関し、所要の区域救難計画を作成するものとする。
2 基地司令の職にある航空自衛隊の部隊等の長は、当該区域指揮官が定める区域救難計画に基づく基地救難計画を作成するものとする。
3 航空救難計画を作成するに当たっては、通常次の各号に示す事項を含めるものとする。
(1)救難情報の収集
(2)救難行動の基準
(3)相互支援要領
(4)救難通信及び後方支援要領
(5)その他必要な事項
4 前項の場合、必要に応じて隣接区域指揮官、関係のある自衛隊の部隊等の長、米軍及び部外機関と所要の協定又は調整を行うものとする。
5 航空救難計画を作成した場合又は重要な変更をした場合には、その都度統合幕僚長(運用第2課長気付)に報告するとともに、中央救難調整所の長、隣接区域指揮官及び自衛隊の部隊等の長のうち必要と認める者に通報するものとする。
(中央救難調整所の措置)
第37条 中央救難調整所の長は、航空自衛隊の救難区域内に航空機の緊急事態発生の情報を入手した場合は、速やかにこれを評価し、要すれば拡大通信捜索を開始するものとする。
2 中央救難調整所の長は、拡大通信捜索の結果航空救難を要すると判断した 場合及び要救難事故発生の情報を入手した場合は、直ちに統合幕僚長及び当 該区域指揮官並びに必要と認める自衛隊の部隊等の長に報告又は通報しなければならない。
3 中央救難調整所の長は、航空救難実施の間、必要な救難情報の収集、評価及び伝達に当たるものとする。
4 中央救難調整所の長は、海上自衛隊の救難区域内に航空機の緊急事態が発生した場合は、海上自衛隊の航空救難情報中枢に協力するものとする。
(航空自衛隊の区域指揮官の措置)
第38条 区域指揮官は、第37条第2項の通知を受けた場合及び航空総隊の防空組織から要救難事故に関する情報を受けた場合は、直ちに第32条第2項に規定する専任部隊をもつて所要の措置を講ずるとともに、その旨速やかに統合幕僚長、中央救難調整所及び必要と認める隣接区域指揮官、自衛隊の部隊等及び部外機関に報告又は通報するものとする。
2 区域指揮官は、自己の救難区域内に航空機の緊急事態発生の情報を直接入手した場合は、これを評価し、前項に準じ必要な措置を講ずるものとする。
3 区域指揮官は、訓令第7条第1項の規定により非専任部隊に協力を依頼する場合には、直接その非専任部隊に協力を依頼することができる。この場合 区域指揮官は、じ後、速やかに当該部隊の上級部隊等の長にその旨を報告しなければならない。
4 区域指揮官は第1項又は第2項の場合、必要に応じて第32条第6項の規定により、空自の所在部隊の長に航空救難を行わせることができる。
(協力の依頼を受けた航空自衛隊の区域指揮官又は非専任部隊等の措置)
第39条 区域指揮官及び非専任部隊の長は、担当の区域指揮官等から協力の依頼を受けた場合には、できる限りこれに協力するものとし、協力開始後速 やかに担当の区域指揮官等にその旨通報しなければならない。
2 派遣部隊等の長は、現地に到着後速やかに担当の区域指揮官等(又は現地調整官)にその旨通報するとともに、じ後の行動等必要な事項について、その調整に応ずるものとする。
(航空自衛隊の所在部隊の長の措置)
第40条 空自の所在部隊の長は、当該区域指揮官から協力の依頼を受けた場合は、その調整に従い直ちに所要の措置を講ずるとともに、その旨を当該区域指揮官に通報するものとする。
2 航空自衛隊の所在部隊の長は、要救難事故発生の情報を直接入手した場合は、第31条第1項の規定に基づき所要の措置を講ずるものとし、事故の発生場所が遠隔している場合は、担当すべき区域指揮官事故発生場所最寄りの自衛隊の部隊等の長及び中央救難調整所の長に通報するものとする。
3 前項の場合で、2以上の自衛隊の部隊等が同一の要救難事故に対して航空救難を実施する場合は、区域指揮官の調整が行われるまで互いに協力して救 難活動に当たるものとする。
(航空総隊の措置)
第41条 航空総隊司令官は、航空救難のために航空総隊の防空組織の支援が必要な場合においては、積極的に当該区域指揮官に協力するものとする。
2 航空総隊の実施する航空救難支援業務の主要事項を次のとおりとする。
(1)「レーダー」をもってする必要な援助
(2)必要な場合警戒待機中の要撃機を使用して行う誘導
(3)救難業務に対する通信支援
(4)中央救難調整所、救難運用本部、管制機関に対する情報及び措置事項の通報
(航空支援集団の措置)
第42条 航空支援集団司令官は救難発動、緊急救難情報等の連絡のためFSライン使用について中央救難調整所、航空救難情報中枢、区域指揮官等及び 所在部隊の長に優先的に協力するほか、救難の指揮運用のための連絡には飛行管理中枢の業務に支障を及ぼさない範囲で協力するものとする。
(航空自衛隊の航空救難の終結又は中止)
第43条 区域指揮官等は救難活動が目的を達した場合は、速やかに航空救難の終結を統合幕僚長に報告するとともに、関係のある自衛隊の部隊等、米軍 及び部外機関に通報しなければならない。
2 区域指揮官等は遭難隊員の救助の見込みがないと認める場合には、事故機及び遭難隊員の所属する自衛隊の部隊等の長と協議の上、統合幕僚長の許可を得て、その終結を関係のある自衛隊の部隊等、米軍及び部外機関に通報しなければならない。
3 区域指揮官等が気象状態その他の理由により一時的に救難活動を中止する場合は、前項に準じてその中止を通報するものとする。
(航空自衛隊の専任部隊状況日報)
第44条 航空支援集団司令官は、毎日午前8時現在における救難隊の状況に関し、別紙様式第5により区域指揮官に通報するものとする。
(航空自衛隊の航空救難情報入手時の報告)
第45条 第31条、第37条、第38条及び第40条の規定により行う情報
の報告又は通報は、別紙様式第1により判明した事項について逐次行うものとする。
(航空自衛隊の航空救難実施中の行動状況報告)
第46条 専任部隊及び派遣部隊等の長は、航空救難実施中において緊急を要すると認める事項についてはその都度、その他の事項については特に命ぜられた場合のほか作業終了後、行動の状況を別紙様式第2により区域指揮官等に報告するものとする。
2 区域指揮官等は、前項の規定による報告又は通報を受けた場合、緊急を要すると認める事項はその都度、その他の事項については作業終了後、行動の 状況を別紙様式第3により統合幕僚長に報告するとともに、中央救難調整所の長及び隣接区域指揮官並びに自衛隊の部隊等の長のうち必要と認める者に通報するものとする。
(航空自衛隊の航空救難終結又は中止時の報告等)
第47条 第43条各項の規定により行う報告又は通報は、次の各号に掲げる事項を含むものとする。
(1)航空救難の推移
(2)航空救難終結又は中止の理由
(3)終結又は中止下令の日時
(4)その他必要と認める事項
(航空自衛隊の航空救難終結後の報告)
第48条 訓令第10条の規定により行う報告及びその実施要領は、次の各号によるものとする。
(1)区域指揮官は、航空救難終結後、航空救難全般の状況について、別紙様式第4により航空救難詳報を作成し終結後14日以内に写2部を添え、統合幕僚長に報告するとともに、他の区域指揮官及び自衛隊の部隊等の長のうち必要と認める者に通報するものとする。
(2)航空自衛隊の部隊等の長は、航空救難終結後自己の部隊の行動について、別紙様式第4により航空救難詳報を作成し、順序を経て終結後30日以内に写2部を添え統合幕僚長に報告するとともに、当該区域指揮官に通報するものとする。
(報告又は通知の手段)
第49条 第43条及び第44条の規定による報告又は通報は電話により行うことを原則とし、他に手段がない場合は電報によるものとする。
2 前項の場合、通信網の都合により直接通話できない場合は、中央救難調整所を通じて行うことができる。
第5章 通信
(通信に関する事項)
第50条 航空救難情報中枢、中央救難調整所及び区域指揮官等又は所在部隊の長が、航空救難等に関して電話連絡を行うに当たり、他に適当な連絡の手段がない場合は飛行管理系(以下「FSライン」という。)を使用することができる。
2 前項の場合、航空救難業務と飛行管理中枢の業務との通話の優先順位は、次の基準によるものとする。
(1)救難発動及び緊急救難情報等時機を失すれば人命に重大な影響を及ぼす航空救難業務に関すること。
(2)飛行支援中枢の業務に関すること。
(3)第1号以外の航空救難業務に関すること。
3 FSラインの使用要領及び通話方法等の細部に関しては別に定める。
第51条 自衛隊の部隊等が航空救難の指揮運用のため相互に用いる電波は、次に示す電波のうち共通するものを使用するものとする。
(1)HF 4520KHZ(J3E)(主用)
2618KHZ(J3E)(補用)
(2)VHF 123.1MHZ(A3E)
(3)UHF 247.0MHZ(A3E)
2 前項により難い場合は、その都度航空救難を担当する区域指揮官が、関係部隊等と協議の上、定めるものとする。
3 航空救難に任ずる自衛隊の部隊等の呼出し名称は、別表第3によるものとする。
第52条 自衛隊の部隊等が航空救難の実施に関して電報を発信する場合は、平文によることができる。
(海上自衛隊の通信実施の基準)
第53条 通信の実施は、自衛隊の通信実施の基準に関する訓令(昭和39年防衛庁訓令第39号)及び海上自衛隊通信規則(平成元年海上自衛隊達第42号)によるほか、次の各号に掲げるところによるものとする。
(1)航空救難実施時において使用する電波及び通信実施要領
ア 海上自衛隊航空機と海上保安庁巡視船との間のVHF連絡電話について(通知)(海幕通第4561号。昭和42年9月27日)
イ 海上における捜索救難活動を行う航空機の安全を確保するための航空機相互間の調整について(保警教第72号。昭和47年9月22日)
(2)区域指揮官と当該区域指揮官が担当する救難区域内に所在する自衛隊の部隊等との通信は、必要に応じ相互に協定の上、実施するものとする。
第54条 部外機関との相互通信は、必要に応じ区域指揮官及び部外機関の長が、現地において相互に協定して実施するものとする。
(航空自衛隊の通信実施の基準)
第55条 航空救難に関する通信の実施は、次の各号に掲げる訓令等に定めるところによるものとする。
(1)自衛隊の通信実施の基準に関する訓令(昭和39年防衛庁訓令第39号)
(2)航空自衛隊通信電子運用規則(昭和55年航空自衛隊達第21号)及び航空自衛隊通信電子運用細則(CEI)
第6章 航空救難の総合訓練等
(総合訓練又は演習)
第56条 区域指揮官又は基地司令の職にある自衛隊の部隊等の長は、航空救 難の総合訓練又は演習を実施することができる。
2 前項の場合においては、あらかじめ関係のある自衛隊の部隊等及び部外機関の長と所要の連絡及び調整を行うものとし、実際の航空救難と区別するために必要な措置を講じなければならない。
附 則
この達は、平成18年3月27日から施行する。